「優秀なリーダーがいない」「指示しないと動かない」「現場の空気が重い」──そんな悩みを抱える経営者の方は多いのではないでしょうか。その原因のひとつが、「現場力」の欠如です。
リーダーにとって最も重要な力は、実は「現場で即応できる判断力と行動力」です。そしてそれは、座学では身につきません。
この記事では、現場力を鍛える意味と、それを育てるための“軍隊式トレーニング”から得られる示唆について解説します。
■ リーダーにとっての「現場力」とは何か?
現場力とは、簡単にいえば「現場で実際に動ける力」です。これは単なる体力や気合ではなく、以下のような複合的な力を指します。
- 情報が足りない中での判断力
- メンバーへの的確な指示力
- プレッシャー下での冷静な対応力
- 状況に応じた柔軟な戦術の組み立て
- 現場の空気を読み、周囲を巻き込む統率力
つまり、マネジメント能力と実行力を兼ね備えた「行動型リーダー」に求められる力です。ホワイトボードの前や資料上ではなく、“現場”という不確実性の塊の中でこそ、リーダーの真価は問われます。
■ なぜ現場力は座学では身につかないのか?
理由はシンプルです。「頭でわかること」と「体で動けること」は全く別物だからです。
多くの研修では、リーダーシップ理論やマネジメント手法を学びますが、実際の職場ではそれを即座に活用できる場面ばかりではありません。むしろ、予測不能なトラブルや人間関係の板挟みなど、「理屈では割り切れない現実」が待っています。
そこで必要なのが、「身体で覚える」「瞬時に反応する」ための現場訓練です。これはまさに、軍隊式トレーニングの真骨頂でもあります。
■ 軍隊式トレーニングが教えてくれる3つのこと
当社が導入している研修の中でも、特に効果的だと感じているのが“軍隊式の模擬戦闘トレーニング”です。その中で学べる3つの要素を紹介します。
1. 【「瞬間判断力」は負荷の中で磨かれる】
時間制限、情報不足、疲労、チームとの連携——これらが組み合わさる状況では、思考の「質」よりも「速さと精度」が求められます。
ミッション遂行の中で何度も選択を迫られることで、普段の思考が「瞬時の決断」へと変わる瞬間が訪れます。
2. 【仲間を動かすには「信頼と態度」が鍵になる】
軍隊式トレーニングでは、メンバーを鼓舞し、危機の中で統率する経験も含まれます。ここで痛感するのが、「立場や命令」だけでは人は動かないということ。
人が動くのは、“この人とならやれる”という信頼と、“自分が誰よりも前を向いている”という態度によって初めて得られるものです。
3. 【冷静さは、あらかじめ鍛えられる】
極限の状態に置かれることで、「パニックにならず状況を俯瞰する」訓練になります。本番の現場で冷静でいられるリーダーは、日頃からそうした場数を踏んでいる人なのです。
■ 体験こそが「腹落ち」と「行動変容」を生む
「現場で判断することの怖さ」「仲間を背負うことの責任」「失敗しても立ち上がることの価値」——これらは、言葉で説明してもなかなか伝わりません。しかし、自ら体験すれば、数時間のうちに深く心に刻まれます。
これが、座学では得られない“腹落ち感”と“行動変容”の源です。
■ 現場力が変われば、現場の空気が変わる
現場力を持つリーダーが育てば、次のような変化が起こります。
- 判断が早くなり、業務の滞りが減る
- 自信と責任感のあるリーダーが前に出る
- メンバーもリーダーを信頼し、協力体制が強まる
- トラブルや変化への耐性が高まる
結果として、現場の空気が引き締まり、組織全体が“動く組織”へと変わっていきます。
■ まとめ:現場力は、育てられる。そして最も価値がある
現場力は、“現場でしか育たない”ものです。そしてそれは、リーダーがその役割を果たすうえで最も大切な力でもあります。
あなたの会社の次世代リーダーが「現場に強い人」になることで、組織のスピードと一体感は格段に上がります。
今こそ、机の上ではなく、“現場で鍛える”育成を始めてみませんか?