~育てているつもりが、成長を止めていないか~
「期待しているからこそ、厳しく言っている」
「本人のためを思って指摘している」
そう考えている経営者は多いはずです。
しかし、良かれと思って発した一言が、
次世代リーダーの成長を止めてしまうことがあります。
今回は、経営者が無意識に言ってしまいがちな言葉と、
それが組織に与える影響について考えていきます。
■ 無意識の一言その1
「前も言ったよね?」
この言葉は、正論です。
しかし受け取る側にとっては、
- 自分は成長していない
- 期待されていない
- また失望させてしまった
というメッセージに変換されます。
結果として、挑戦よりも萎縮が生まれます。
■ 無意識の一言その2
「なんで相談しなかった?」
一見、もっともな問いです。
しかしこれが続くと、
部下はこう学習します。
相談しないと怒られる
でも相談すると自分で考えていないと言われる
この板挟みの状態では、
次世代リーダーは判断できなくなります。
■ 無意識の一言その3
「自分の若い頃はもっとやっていた」
比較は、やる気を引き出すどころか、
自信を削ることが多いものです。
時代も環境も違う中での比較は、
成長のヒントではなく、
プレッシャーになります。
■ なぜこの言葉が出てしまうのか
経営者は常に責任を背負っています。
だからこそ、
- ミスを減らしたい
- 成長を早めたい
- 組織を強くしたい
という思いから、
強い言葉が出てしまうのです。
問題は意図ではなく、影響です。
■ 成長を止めるのは「正しさ」
次世代リーダー育成で最も難しいのは、
経営者の正しさをどこまで抑えるかです。
正しい指摘は、
短期的には改善を生みます。
しかし、常に正解を提示され続けると、
部下は考えなくなります。
自分で答えを出す前に、
正解が提示されてしまうからです。
■ 言い換えるだけで変わる
同じ内容でも、
言い方を変えるだけで影響は大きく変わります。
例えば、
前も言ったよね
ではなく
前回よりどこが改善できたと思う?
なんで相談しなかった?
ではなく
今回の判断基準は何だった?
自分の若い頃は
ではなく
今の環境でできるベストは何だろう?
問いに変えることで、
思考が止まらずに済みます。
■ 経営者の一言は「文化」になる
経営者の言葉は、
その場限りの発言ではありません。
繰り返される言葉は、
やがて組織の文化になります。
- 挑戦する文化か
- 失敗を避ける文化か
- 考える文化か
- 指示待ち文化か
それは、日々の言葉からつくられています。
■ 自走式組織に必要な関わり方
自走式組織を目指すなら、
- 正解を示すより問いを投げる
- 失敗を責めるより振り返る
- 比較するより成長を見つける
この姿勢が重要です。
次世代リーダーは、
完璧な環境で育つのではありません。
安心して挑戦できる環境で育ちます。
■ K-7の研修で扱うテーマ
K-7の次世代リーダー育成でも、
スキル以上にお互いの「関わり方」に注目します。
- リーダーの一言がどう影響するか
- どんな問いが思考を促すか
- どんな声掛けが仲間を励ますか
- 失敗をどう扱うか
体験を通じて可視化し、
言葉の力を実感してもらいます。
■ 最後に
次世代リーダーを育てたいと本気で思うなら、
まずは自分の言葉を振り返ること。
無意識の一言が、
挑戦を止めていないか。
逆に、
無意識の一言が、
挑戦を後押ししているか。
組織の未来は、
経営者の言葉から始まります。