~次世代リーダーに「経営視点」を持たせる目標設定の考え方~
「今年の目標は各自で立てさせています」
「数値目標も決めているし、やるべきことは明確なはず」
それでも、思ったように現場が動かない。
そんな違和感を感じている経営者は多いのではないでしょうか。
この問題の原因は、
目標設定そのものではなく、
目標の置き方と視点にあります。
今回は、次世代リーダーに経営視点を持たせるための
目標設定の考え方についてお伝えします。
■ なぜ目標を立てても行動につながらないのか
よくある目標設定には、次のような特徴があります。
- 売上や件数などの数字だけが並んでいる
- 上から下りてきた目標をそのまま受け取っている
- なぜその目標なのかを理解していない
この状態では、目標は
やらされるもの
達成させられるもの
になってしまいます。
その結果、行動は最低限になり、
自分で考える余地がなくなります。
■ 次世代リーダーに必要なのは「経営の文脈」
経営者が見ている世界と、
現場リーダーが見ている世界は違います。
経営者は、
- なぜ今年この数字が必要なのか
- 達成できなかったら何が起きるのか
- 次の一手にどうつながるのか
という文脈で目標を見ています。
一方で、次世代リーダーが見ているのは、
- 自分の担当範囲
- 日々の業務
- 目の前のタスク
だけになりがちです。
このギャップが埋まらない限り、
目標は自走のエンジンにはなりません。
■ 経営視点を持たせる目標設定とは
経営視点を持たせる目標とは、
数字を与えることではありません。
次の問いに答えられる状態をつくることです。
- この目標は、会社のどんな課題とつながっているのか
- 達成できたら、組織はどう前進するのか
- 達成できなかった場合、どんなリスクがあるのか
これが腹落ちしたとき、
目標は初めて自分ごとになります。
■ 目標設定で経営者がやるべき3つのこと
ここからは、実践的なポイントです。
1つ目は、目標の背景を語ることです。
数字だけを渡すのではなく、
なぜこの目標なのか
なぜ今年なのか
を言葉で伝えてください。
これは説明ではなく、共有です。
2つ目は、目標を問いに変えることです。
例えば、
売上を10パーセント伸ばせ
ではなく、
どうすればこの市場で10パーセント成長できると思うか
という問いに変えてみてください。
これだけで、考える主体が変わります。
3つ目は、達成方法を決めさせることです。
経営者がやり方まで決めてしまうと、
目標は作業指示になります。
やり方を考えさせ、
途中で振り返り、
修正させる。
このプロセスそのものが、
次世代リーダー育成です。
■ 目標は「管理ツール」ではなく「育成ツール」
目標が管理のためだけに使われている組織では、
数字は追われますが、人は育ちません。
一方で、目標を育成の道具として使っている組織では、
- 振り返りが増える
- 判断の質が上がる
- 経営視点の会話が増える
こうした変化が起きます。
■ 自走式組織に近づく目標の扱い方
自走式組織では、
目標は上から下りてくるものではありません。
会社の方向性を踏まえたうえで、
自分たちが何を目指すかを考える材料になります。
そのために必要なのは、
- 経営の情報を開くこと
- 判断の背景を隠さないこと
- 失敗を責めず、学びに変えること
これらはすべて、
経営者の関わり方で決まります。
■ K-7の研修で行っている目標の扱い
K-7の次世代リーダー育成研修でも、
目標を立てさせて終わり、にはしません。
- その目標は何を変えたいのか
- 誰にどんな影響を与えるのか
- 判断がズレたとき、なぜそうなったのか
を、体験と振り返りを通じて言語化します。
これにより、
目標を立てられる人ではなく、
目標を使って考えられる人が育っていきます。
■ 最後に
目標を立てても動かないとき、
その原因は人ではなく、設計にあります。
次世代リーダーに求めたいのは、
数字を追う力ではなく、
会社の未来を考えながら判断する力です。
その力は、
経営視点を織り込んだ目標設定から育ちます。
今年の目標が、
管理のための数字で終わるのか、
自走を生む起点になるのか。
その分かれ道は、
経営者の関わり方にあります。