間違ったリーダーシップ

研修でいきなりゲーム形式で対戦をしてもらうと大体どうなるかはいつも決まっています。
リーダーに任命された人が頑張ってチームに指示出しをして動かそうとします。

リーダーからはリーダーになったからにはチームを引っ張らなきゃ!という気持ちが見えますし、メンバーからはリーダーの指示に従ってチームワークを発揮しよう!という気持ちが見えます。ここまであからさまでなくてもこれに近しい状況になるチームが多いです。

もちろんそんなチームが全部ではないですが、それは今のビジネス環境には適さないリーダーシップの発揮の仕方、状況に合っていないリーダーシップともいえるでしょう。

理由は
①変化に対応するのに時間がかかるから
②リーダーの能力に完全に依存することになるから
です。

①はリーダーが判断して指示出しをする以上、すべての情報をリーダーにあげて判断を仰ぐ必要があります。その場合、現場で起きていることをメンバーが観察して判断して、その上でリーダーに情報を送り、その情報を元にリーダーが判断してメンバーに送り、メンバーがそれを実行する。という流れになりますが、その間に状況は変わっていないでしょうか?

全く状況が変わらないのであればそれでもいいと思いますが、変化の激しい今のビジネス環境ではそんな状況は少ないと思った方がいいでしょう。

また情報の伝達が正しく行われない可能性がある危険性もあります。

②は結局リーダーに全部情報を上げて判断してもらうので、メンバーの能力を最大限生かしているというよりもリーダーの手足となりメンバーが動いているだけの状態に過ぎません。それではチームとしての能力というよりもリーダーの能力によってすべてが決まってしまいます。

メンバーも指示待ちになってしまい、自分で考えて行動しないという状況にもなりがちです。

もちろんゲームの対戦だからそうなっただけで実際の仕事では違うという方もいると思いますが、無意識の状態ではまだそういうリーダーシップを発揮しているのであれば、仕事の最中もご自身で気づかないうちに状況にそぐわないリーダーシップを発揮しているかもしれません。

ではそんな状況を改善して変化に強いチームを作っていくためにはどうすればいいでしょうか?

改善すべき点の一つとしてリーダーシップはリーダーだけが発揮するものではなく、チームメンバー全員が発揮していくべきということを全員が認識することが重要です。

チームで共通の目的意識を持ち、同じ目標を見据えてそれぞれが自分の役割に応じてリーダーシップを発揮して率先して連携していく必要があります。場合によっては誰かのフォローをすることもあれば、自らが前面に出て引っ張っていく必要もあるでしょう。

部下だからリーダーの下にずっとついていくのではなく、状況に応じて自ら考えて行動を変えていける事が大切です。

そしてそれが柔軟にできるようになるためには、共通の目的意識の浸透、信頼関係の構築、役割の定義、権限の移譲なども同時に行っていく必要があります。

これらで当然実務でのチームワークを大きく改善しますが、対戦ゲームだとそれが非常に分かりやすく変わっていく事が体感できるため、どの部分を改善すればいいのかディスカッションする題材として対戦ゲームは非常に効果的なのです。

是非身近の対戦ゲームを使ってチーム対抗戦を実施して見て、それを題材にみんなでチームワークについて話し合ってみましょう。

では皆さん、幸せな職場づくりを!

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